へザー・マリア・ナオミ

へザー・マリア・ナオミ

Wednesday 22 October 2014

大きなアクセサリー

秋も徐々に深まってきました。
そして衣替えの時期に。
今年はいつもよりもが気合いが入り、自分のものだけではなく、
大量にある母の物も少し整理をすることに。

遺品とは難しいものです。
母親が遺した物はなかなか手放せないですよね。

とは言っても遺された衣類やアクセサリー、
大量の帽子を自分で使うかと言うとほとんど使うことはありません。
ほとんどのものがケースの中にしまってある状態。

時々、展示会をしたり、撮影の時に使うぐらいでしょうか。
あとは時々手に取ってみるぐらい。

でも今回は少ししまい方やしまう場所を見直して一旦整理を。
手放すものはなくても、ちょっと整理しただけでもかなり変わります。

自分のものはささっと整理ができてしまうのに、
母親のものを一旦取り出すとなかなか進まないものです。
きれいな物がいっぱい。不思議なものがいっぱい。

よくこんなものを身につけていたな〜。

いったい、いつ着たのかしら。

なんてバブリーな....

  
と様々なことを思い出しながら、
そしてブツブツと独り言を呟きながら一日があっという間に過ぎてしまいました。

母の物のほとんどは大きくて大胆なものばかり。
帽子も、アクセサリーもみんなそう。
そして母が昔私に言ったことを思い出しました。

「あなたは体が大きいのだからアクセサリーは大きめの方が似合うのよ。」

身長が164cmもあった母は当時の日本人女性にしては大きめでした。
だからアクセサリーも帽子も大きめで大胆なものばかり。


でも、母の言うことはなんとなく分かっていても若い頃は
どうしても繊細でかわいらしいアクセサリーに目が向いてしまいました。

ようやく母が言っていたことに納得して自分の体とバランスの合った
アクセサリーをするようになったのは40を過ぎてから。

やっと母のアクセサリーを使える....

でも正直、ほとんど使えません。
時代もありますし、好みやライフスタイルも違いますし、
似合う、似合わないもありますし。


もともとファッションは地味というか、シンプル派の私。
ほとんどデニムであとは小物次第でドレスアップかドレスダウン。
そんな時に、ちょっと派手目なアクセサリーを一点つければ
シンプルな格好でもドレスアップになるかもと思って母の大きなイヤリング、
または太いネックレスを一点だけ借りて出かけることも。

鏡で見ると、大きなイヤリングや、太いネックレスをすると
顔が一回り小さく見えてちょっと嬉しい気分に。

しかし...
駅に着いて電車に乗る頃には耳がちぎれそうなぐらい痛かったり、
ネックレスの重さで首肩がこってしまってすでに限界。

そんな重たいイヤリングやネクレスの両方を長時間も
身につけられていた母を尊敬してしまいます。


英語ではbeauty is painとよく言います。
美のためには多少の痛みを耐えなければいけない、と。

昔の人はそうだったのかもしれませんね。
美しく見えるためには色々なことが我慢しました。

それがもしかしたら本物の大人の女性との違いかもしれない。

フラットな靴、軽いアクセサリー、動きやすい服など、
どうしても「楽」を選んでしまう今の自分はそう思ったりもします。

でも母に言われた通り、
最近はやや大きめのアクセサリーを選ぶようになりました。
やや大きめだけれど軽いものを。

でもやっぱり母のアクセサリーは素敵。
借りるときはバッグで持って行って直前につけて、
終わったら「あー痛い痛い!」と半分泣きながら取り外しちゃったり。
Beauty is pain!

そんな母との昔の会話の話を先日夫と。

「だから、ダイヤもあんまり小さいと私の大きな体だと見えなくなってしまうから
やっぱり体に見合った大きさでないとだめなのよね」

それに対して夫は、
「お母さんみたいにがんばって稼いで自分で買うことこそが
本物の大人の女性じゃないの?」

上手いこといいますね。

by Heather


Monday 20 October 2014

SUNDAY はクレープの日

家族のいい思いでってありますか?
私のいい思い出はクレープです。
三崎口の日曜日の朝はいつもママが早めに起きてクレープを作ってくれました。
5人家族のため、クレープを約16枚から18枚ぐらい作り、
フライパン2つを使って、キッチンからテーブルの間
走り回るママの姿を覚えている。

この絵は私が10歳ぐらいの時に描いた絵です。青と白のストライプの
パジャマを着たママと足下には昔の愛犬 CANDY.
 お父さんが最初にクレープを食べて、その後に、私たち
3人娘の番、ってちゃんと順番もありました。
もちろん3人姉妹で誰が先に食べるかけんかが多かったのを避けるため、
ママは頑張って、ものすごいスピードでクレープをつくってくれた。


ママのクレープはとっても薄く、レモン、バター、と
お砂糖のシンプルのクレープでした。そのシンプルさが美味しかったのか、
ママの体力と愛情が美味しかったのかその頃は何も分からなかった。

昨日、日曜日だったため、私も久々に子供たちのためにクレープを作りました。
イタリア育ちの子供たちのため、ここのクレープは NUTELLA 味です。


私にはNUTELLAはちょっと甘すぎるので
ママのシンプルレモンクレープの方が好きです。

結局一人、5つずつ食べました。

BY NAOMI








Saturday 18 October 2014

感覚

風邪をひいてしまった。
咳と鼻づまりと、もうかれこれ二週間と長引いていてなかなか治る気配なし。
辛いです。
なにが辛いかというと、味覚と嗅覚が完全に奪われてしまい、
何を食べても味がしない、おいしくない。食欲はあるのに、食べる気がしない。

何かを食べる時に、その匂いや味の記憶を頼り、味わう。想像力と集中力が必要だから、食べるのもかなり疲れてしまう(笑)

「味わう」、「嗅ぐ」、というできて当たり前のことができなくなると、それがどれだけ素晴らしいことかに気づく。
森へいき、何も匂いがしない、
海でも、なにも匂いがしない。
旦那のあとにトイレに入っても、なにも...(こればかりはうれしかったが)。

ごはんを作るときもそれを味見できず、昨日作ったスイートポテトパイは不評😢

でも、不思議と、匂いというものって、記憶に残っていて、
目を閉じて、その匂いを想像すると、香ってきたりするのです。

母が亡くなって20年たつが、いまだに彼女の「匂い」(香り)は私の記憶にしっかり残っていて、
母を思い出すと、その香りがふわっと匂ってきたりする。
いつも着けてたCOCO Chanel 5° の香りでもなく、
一時流行って母の秘書やら友達やらみんな着けていたポワソンの強烈な香りでもなく、
母の、母だけの独特な香り。

香りと同じくらい、母の手の感覚も忘れないもの。

不思議なものね、
私なんてすごい忘れっぽい人間で、人の名前や顔や、自分が過去に行った場所、やったことも忘れてしまうくらい記憶力が悪いのに、そういった感覚的なものって、すごく残っていて、
小さい頃に過ごした三浦の海の磯の匂いとか、
朝の犬の散歩にいってた森の匂いとか、
おばあちゃんのおうちの匂い、彼女の作ってくれた餃子の味、
幼稚園の入口の匂いまでも、思い出せる。
そういった感覚って、一生忘れないものなのかも。

嗅覚と味覚って、こんなにも大切で、喜びを与えてくれることなのだと、痛感。

風邪よ、治っておくれ。

二つの感覚が奪われたので、視覚と皮膚感覚を代りに刺激しています(笑)

まずは、ここ一年すっかり虜になってしまった皮膚感覚の刺激、


オイルたちです。自分で買ったもの、友人にいただいたもの、
これらで顔や、頭皮や、体をマッサージしたり、ツボを刺激したりしています。
オイル大好き~!
髪にもよいですよー。シャンプーする前にたっぷりと頭(髪)につけて、マッサージ。その後シャンプー、リンスすると、しっとりつやつや。ぜんぜん髪質変わります!
アルガンやココナツオイルは顔や体にも最適。
私はアルガンオイルで顔をマッサージしてから、その上に化粧水をたっぷりと叩き込み寝ます。これを続けると肌がもちもちになります!


視覚は、とにかく美しいものを見る、遠くを見ることで刺激しています。
できるかぎり毎日息子の幼稚園が終わり、サッカーだのテニスのレッスンやらを終えてから、二人で海へ行き、夕陽を眺めたり、公園へいき、緑を眺めたりしています。

今週の夕陽たち。


 
毎日、違う色、雲の形、海の様子、が違う。
 
 
 
金曜日の夕陽。
 
火曜日、家からの夕陽。


 
全部フィルターなしのそのままの色で撮りました。

視覚の刺激、大切ですね。一日の終わりに、空を眺めるだけで、その日の疲れが消え、生きていることの喜びを感じる。

嗅覚が戻ったら、まずしたいのは、天日干しした洗濯物に顔をうずめて匂いを嗅ぎたい~!
味覚が戻ったら...とりあえずなんでもいいからガッツリ食べたい~!!

みなさん、くれぐれも風邪に注意です。今年の風邪は、長引きます。

by Maria








Wednesday 15 October 2014

ANTIQUE も、たまにはいいですね。。。

最近よく古い物にこだわって来ました。フィレンツェの美術や文化に囲まれているうち、毎日まわりの物をちゃんとよく見なかったり、通り過ぎてしまう事が多いので、これから気をつけて周りをゆっくり見る事にしました。。。
行った事ありますか?Piazza Santa Maria Novella。はじめてイタリアに来た時、姉のマリアとここで写真いっぱいとったの覚えてます。その頃はまだ90年代だったので草の上にはハトではなく人間がたくさん太陽をあびて寝てました。

気がつくとハトがいっぱい草の上で寝てます。

ここから約100メーターもないところに、日本人にも人気のある薬局 "Farmaceutica di Santa Maria Novella"があります。中はとってもANTIQUE でした。

裏にある大きなすばらしいお庭がどうしても気になる。。。だーれも使わないお庭ってもったいない感じがしました。

立ち入り禁止。。。:((

トスカーナのantiqueがたくさんそろっているB&Bがあります。お部屋の中をゆっくり回って一つ一つの家具、絵、食器とか眺めながらB&Bより、美術館の中 にいた気持ちでした。

ヨーロッパのSOLDIERS


18世紀のベビーベッド

17世紀のグリル。ハート形のぐりるです。お肉をそこで焼くとハート形のこげ身が着いてとってもかわいいです。



ピアノもお部屋においてありました。。。ひけないのが残念。

ANTIQUEが好きな人はここのB&Bご紹介しますよー。
そして、フィレンツェから電車にのって家に帰る時に思ったのは:「年を取るともっと物を大切にするのとか、古い物の価値を感謝するようになるんだなー』。。。と。

by Naomi




Friday 10 October 2014

イタリアからの届け物

ナオミから嬉しい届け物が。


年に2〜3回お仕事でイタリアを訪れる共通の友達が
イタリアから日本まで運んできてくれました。
Yさん、このブログを見ていたらいつもありがとう!

イタリアのKIKOブランドの化粧品と出会ったのは
3年ほど前にナオミのところへ遊びに行った時。

かなりのおませちゃんのナオミの長女がネイルのマニキュアを買いたい、と
連れて行ってくれたのがフィレンツェのショップ。

お店の雰囲気や化粧品のパッケージのシンプルさ、
種類の豊富さがなんとなく日本人好みかもしれないと思ったのが第一印象。


でも中身はやっぱりイタリアン。
シンプルでありながらなんとなく色が大胆で濃いですね。

でもこれがまた使いやすく、色も自分に合っていてお値段もお手頃で
すっかりはまってしまいました。
ストックが最後に一つになると不安になるぐらい。


今回、友人のYさんからお土産にオリーブオイルをいただきました。
以前にこのブログでナオミが紹介したアグリツーリスモで作っている
オリーブオイル。


箱も瓶も豪華。
まるで香水のよう。

そしてオリーブオイルそのものも良い香り。
オリーブで作った香水のような香ばしさ。

これからイタリアではオリーブの収穫の時期が始まります。
積み立ての、搾り立てのオリーブオイルは絶品です。


行きたいな〜。

by Heather

Monday 6 October 2014

自然の力

台風が過ぎ去り、海は再び穏やかになりました。

昨日の海は自然のパワーを感じました。


海は大荒れ、風が過ぎ去ったあとは、たくさんの漂流物がビーチに流されていた。
 
嵐が過ぎ去ったあとの夕陽はしかし本当に美しい。
 


日本の秋は一番好きな季節、でも台風の時期でもあるんですよね。
毎年、この時期は台風の脅威にさらされる。
しかし、毎回、このような美しい風景も残してくれる。

私たちと、この先 この自然を受け継ぐ子供たちは、これから先の未来、様々な自然の猛威や天変地異と共存する知恵と力を身につけなければいけないですね。
台風が過ぎ去り、名地の被害をテレビで知る度に、そう思う。

日本はとくに、自然災害の多い国。
地震、火山噴火、台風、竜巻、水害、津波...
それらがいつ起きてもおかしくない国。
だからこそ、それらのことをもっと学び、どのようにすれば避けられるか、サバイブしていけるか、
共存できるか、そういったことをこれからの子供たち教えていくことは大切なのだ思う。

森の大切さ、川の大切さ、海の大切さ、
自然のサイクルを人間が変えようとする、崩すと、自然災害は人災になって被害がさらに大きくなる、そのことを伝えていくのが、今の私たち大人の義務だと強く感じる今日このころ。

この先、いつまでも、ありのままの美しい自然が残り、そこで生きていけることを祈ります。

 
 



 

Sunday 5 October 2014

イタリアも秋です。。。


トスカーナでは、もうぶどうつみの季節がおわりました。葉の色がだんだん変わってきています。お散歩しながら甘い香りに囲まれ、いらないぶどうが捨てられている
のがたくさん見えます。もったいないけれど、イノシシに食べられるのでしょう。。

                                                       家の外にあるぶどう畑                    

                                                                     メルロのぶどう。


 もうしっかり秋ですね。
木から落ちてくる刺だらけのマロンや、くるみ。。。愛犬の
アーゴ:痛いのに、ボールと間違えているそうです。


                                              

                 (イタタタッ!


とにかくいい気持ちです。イタリアの一番いい時期は5月から6月と、9月から10月だと思います。今年は雨が多かった1年でしたが、そのかわりいつもとてもグリーンで10月の秋に向かう色の変化がすばらしいです。




 オリーブ積みの季節がもうすぐ始まる。大雨のせいでオリーブが今年少ないです。
また今年のオリーブオイルのねだんが上がるかな?


 3人でセルフィー。ピザ食べに出かけます。

アニアとガイアが頼んだピザは50%サラミーノピカンテ、
そして50%は季節に合わせたクワトロスタジョーネ(quattro stagione)


Buona Domemica!!!


By Naomi



Friday 3 October 2014

「望郷」、「マッサン」、そして竹鶴ワールド

NHKの朝の連続ドラマ「マッサン」にすっかりはまってしまいました。

今年の始めに母の「望郷」をたぶん20年ぶりに読んでから
完全に惚れ込んでしまった竹鶴政孝とリタの物語。

竹鶴さんに関する他の本も買ってこれから読むつもりです
「望郷」を読んで同じようにその世界にはまってしまった
ウィスキー好きの夫はもうとっくにそれも読み終わっています。
読むペースがまったく違うので...
それにしても、夫婦で本を共有するのはこれが初めてかもしれません。


「望郷」は素晴らしい小説だと思っていますが、
それは竹鶴ご夫婦の素晴らしい愛と人生があったからこそ生み出された小説です。

母にはあるご縁があって「望郷」を書くことができました。
そして偶然に竹鶴政孝さんと同じように、英国人と結婚していたこともあって、
きっと彼の想いや気持ち、そして苦労の面も
色々分かっていたことでしょう。
それがまた森瑤子の「望郷」の面白さのひとつかもしれませんね。


その後、私はすっかり「竹鶴ワールド」のファンになってしまい、
夏には北海道の余市にある、政孝さんがつくられた
ニッカウィスキーの工場にまで足を運んでしまうぐらい。
政孝さんとリタが歩いた工場の敷地内、
二人が毎日出入りしていた家の玄関、
政孝さんの夢の工場などを見ながら「望郷」でのあらゆる
シーンを思い出しながら見学。


そして今週から「マッサン」がスタート。
リタをモデルにしたエリー役の
シャーロット・ケイト・フォックスさんもかわいらしく、
素晴らしい演技を見せてくれていてファンになりそう。

きっと彼女も、知らない国、日本にこのお仕事のために来て、
分からないことや不思議なこと、不安などたくさんあったのだと
思いますが、それがまたリタと共感できる部分かもしれませんね。

今でもお豆をお箸でちゃんと取れないこともあったり
正座から立ち上がる時に転びそうになってしまう
半分外国人である私にも共感できるところがたくさんあるぐらいですから。



by Heather